やる気ブースターが欲しい

■えーと。音楽にお金を払わなきゃいけないっておかしくない?
煽りも含めた問題提起として。こういうことを考えておく意味はあると思う。
要は単に音楽を耳にする人とはまた別個に、作家を支える新たなパトロン制が求められてるって話ですな。例えば最近の初回限定特典てんこ盛りのDVDやCDで、限られた人に確実に金を払ってもらう状況って最早システムとしても意識としてもパトロンに近いものがある気がする。
まあそれはそれとして、はてブの方にあったこのコメントに注目したい。

昔は町内一三味線が上手い程度でも宴席に呼ばれて演奏したりしてそこそこ食えたはずだ。ラジオが彼等を殺した。今、我々は世界一三味線が上手い人間の演奏をいつでも好きなときにハナクソほじりながら無料で聞ける。

録音配信技術が様々な芸術を時間空間機会の制約から解き放ったというのはよく言われる話だが、それを踏まえた上で例えばニコニコ上などで活動するクリエイター達が出した結論の一つが「二次創作」であるような気がしている。
つまりかつて存在したそのような制約の代わりに、「東方」「ボカロ」「アイマス」と言った様な特定の文化圏に参与するということが機能しているのではないかということ。オリジナル作品を以ってグローバルに旗揚げするのではなく、特定の作品の二次創作という形を取ってその文化圏の住人に献じることで、「ある程度狭い世界からの評価」を得ることが出来る。
もちろんどちらがいい悪いということではないし、みんながみんなそんな打算で行動してるとも思わないけど。つかこれじゃ「金を取って生活できる」ということの例えにはならなかったか。
ただ、あまりにもあけっぴろげなネットの世界の中で、今求められているのはそういうある種の「狭さ」ではないかなという気がする。絶望先生の久米田曰く「ギャグなんて分かる範囲が狭ければ狭いほど面白いもの」というやつですよ。


■昨年最も売れた洋楽シングルは「ウッーウッーウマウマ(゚∀゚)」
これなんかもその一つの事例かもしれない。洋楽でもアルバムはともかくシングルは相当狭い世界らしいけど、その中でニコニコ初のムーブメントで年間1位取れちゃうという事実。


さっきのパトロンの話にもどすと要はそういう、作家と、それを親密に支援するパトロン、という「狭い構図」が必要なんだろうし、そうなってこそ「金を払おう」という意識も生まれやすくなるんじゃないかと思う。
アイドル声優とそのファンクラブとかさ。違うか。