げに恐ろしきはマルチと宗教

■「俺ね、5年以内に起業して年収1000万超えるから。」
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自分だけは大丈夫と思ってると引っかかるのがこの手の勧誘なんでしょうね。
自分自身はもちろんですがこれらの例のように親類知人がハマったらと考えると悲惨。いわば人間関係の焼畑農業みたいなものかもしれません(焼畑に失礼か)。


以下自分語り。


幸いなんだかんだで勧誘されたこともないし身の回りでこういう話も聞かずにこれまでの人生過ごしてきましたが、こういう話題に初めて触れたのは何かなと思い返してみると、それは富士見ファンタジアより刊行されていたライトノベル麻生俊平の『ザンヤルマの剣士シリーズでした。
「内気なメガネ高校生がひょんなことから超古代文明の遺産を手に入れ、同じく遺産を手にして心の闇を暴走させる人々と対決していく」というのがあらすじですが、その心の闇がマジシャレにならないレベル。
ここで思い返すシリーズの一冊も「親友の妹が新興宗教に捕まり完全に洗脳されて、それを助けに行こうとした主人公が更に洗脳され、アメリカ帰りでシティサバイバル技術を身につけたガチムチ肉体派ヒロインの荒療治で正気に帰らされる」という導入で、この後主人公はこの宗教の教祖と信者たちと、HPよりむしろMPを削る戦いを繰り広げることになります。ちなみにこの巻が刊行されたのが94年、地下鉄サリン事件オウム真理教が脚光を浴びたのが95年。「社会派」などとも形容されたシリーズです。当時「ライトノベル」という呼称も一般的ではなかった時代ではありますが、ラノベという枠の中で社会派という形容を受けることが如何に異様かお分かりいただけるかと思います。
始終こんな按配で、幼児虐待、キレる若者、大企業原理の闇などライトノベルの名に似つかわしくないヘヴィなネタばかり扱っていた内容でしたが、それでいて説教臭くなく若者向けエンタテイメントとしてのバランスも保っていた稀有な作品でした。
まあこんな小説を思春期にクラスメートとこぞって読んでいたわけで、そりゃあ疑い深くもなろうというもの。いわゆる自己啓発本の類もアレルギー反応が出る始末。
つーかよく考えたらそもそも週末にBBQやらフットサルやらという時点でねーわ。
中高の同窓生を名乗る女性から電話がかかってきても無駄だからな! だって男子校だもの。